ビジネスで求められる統率力とは?リーダーがスキルを発揮する方法

2022年5月31日(火)

ビジネスで求められる統率力とは?リーダーがスキルを発揮する方法

経営者やマネジメント層をはじめとする中間管理職は、「統率力の低さ」に悩んでいるケースが少なくありません。統率力とは文字通り、人や組織を率いる能力のこと。プロジェクトのリーダーなどに欠かせない、ビジネススキルの一種でもあります。そこで今回は、統率力の基礎知識を筆頭に、高い人の特徴や傾向をご紹介します。さらに統率力を身につける強みや、効果的に鍛える方法も解説しますので、ぜひお役立てください。

統率力の定義

統率力とは

統率力とは、組織全体や部下をまとめて目標達成や課題解決へと導く能力をいいます。一般的な会社においては、自身以外の社員や部下をまとめるマネジメント層に求められる能力です。迅速かつ合理的な判断力、プロジェクトの方向性を定める決断力など、マネジメント能力など、統率力は複数のスキルで構成されます。

統率力のある人は、従業員の育成・指導・管理を重視し、組織を運営します。同時に大きな決断が求められる場面では、率先して意思決定を行うのが特徴です。自身の決断に責任を持ち、使命感を抱きながら組織を動かすリーダーは、統率力の高い人材といえるでしょう。

リーダーシップやマネジメント力との違い

統率力の類語として、リーダーシップやマネジメント力があります。各種類の意味や違いは、次の通りです。

リーダーシップとの違い

統率力はリーダーシップの構成要素の1つです。リーダーシップとは、組織やプロジェクトをまとめるリーダーに求められる「資質」の総称。統率力を筆頭に、コミュニケーションスキル、問題解決力、状況分析能力、ストレス耐性、共感性などの要素で構成されます。そのため、「リーダーシップを発揮する」には、複数のスキルを包括的に身につける必要があります。

マネジメント力との違い

マネジメント力は組織運営における「管理」を目的とした能力です。統率力と同じスキルであり、資質であるリーダーシップの構成要素でもあります。具体的には、ヒト・モノ・カネといった経営資源を管理しつつ、組織メンバーのパフォーマンス維持および向上を図るために求められるスキルです。

統率力は文字通り、組織やチームの「統率」を重視します。これはリーダーシップにおける「攻め」の手法といえるでしょう。反対に、組織管理を重視するマネジメント力は「守り」の手法です。いずれも組織運営における目標達成や課題解決に欠かせないスキルといえます。有能なリーダーは統率力とマネジメント力、双方を兼ね備える傾向にあります。

統率力があるリーダーの特徴や共通点

意思決定が早い

優れたリーダーほど、意思決定が早い傾向にあります。組織やプロジェクト、ひいては自社のビジョンを理解した上で、最適な判断を導き出すのです。また、メンバー一人ひとりの適正やポテンシャルを考慮して役割を与えたり、配置したりするのも得意です。さらに客観的な視点を持つため、自分自身に対して的確な意思決定を下せるのも、統率力のあるリーダーの特徴です。

コミュニケーション能力が高い

多様な価値観を持つメンバーを束ねるには、優れたコミュニケーション能力が必要不可欠です。統率力のあるリーダーは、一人ひとりの能力や性格、個性が異なるメンバーと言葉で対話し、組織の団結力が高まるよう行動できます。

同時に、メンバーのモチベーションを引き出す能力に優れる人が多く見られます。メンバーの仕事ぶりに目を配り、成長した部分を褒めます。反対に、働き方や仕事の進め方など、改善点は指摘し、必要に応じて叱ります。それが個人や組織のモチベーション向上に繋がるのです。コミュニケーション力に加え、誠実な人柄も、現代のリーダーに求められる資質といえるでしょう。

メンバーへの配慮に長けている

統率力のあるリーダーは、他者への気配りや共感を意識的に行います。広い視野でメンバー一人ひとりを観察し、必要に応じてサポートしたり、適切に評価したりするのが得意です。また、メンバーの悩みを聞く、相談に乗る、具体例を交えた解決策や意見を明示するなど、「傾聴」と提案に積極的なリーダーは少なくありません。

気配り上手のリーダーがいる組織のメンバーは、「私に注目してくれる」「頼りになる」「自分を正しく評価してくれる」と感じるものです。こうした感情は、組織で働くモチベーションや喜び、安心感に繋がります。

ポジティブ思考でメンタルが強い

基本的にポジティブ思考であり、ストレス耐性も高い傾向にあります。上記の通り、組織は価値観が異なる人間が数人~数十人以上集まり、初めて構成されるもの。メンバーを束ねて動かすリーダーには、さまざまな困難を乗り越える強靱なメンタルが求められます。

第一に、優れたリーダーはメンバーを不安にさせません。万が一トラブルが起きたり、窮地に陥ったりしても、ポジティブ思考で周囲に勇気を与えます。そして、現状を把握した上で、問題・課題の特定や解決策を提示するのです。緊急時に慌てず、冷静かつ合理的に対処できるリーダーは、周囲から頼られる存在になります。

論理的思考力が身についている

リーダーには物事を順序立てて考え、相手にわかりやすく伝えるスキルが必要です。それを論理的思考力、別名「ロジカルシンキング」といいます。論理的思考力は、組織の現状把握や課題設定、メンバーへの指示出しなど幅広い場面で求められるスキルです。

論理的思考力を高めるには、目標達成に因果関係のある要素を整理し、順序立てて考える訓練が必要です。自分と相手の思考のクセを見抜き、物事の本質を捉えるよう意識することで、論理的な考え方ができるようになります。

組織のリーダーがより統率力を発揮するには?

組織や場を仕切る訓練を積む

統率力は現場で鍛えるのが基本です。プロジェクトマネージャーにチャレンジする、メンバーの進行管理を行うなど、組織や場を仕切る訓練を積みましょう。いずれも実業務を通じて学べることが多く、人をまとめる経験の積み重ねが、自分なりの統率力を形成していきます。

周囲から信頼される行動を意識する

人を動かす能力に長けていても、周りからの信頼が薄いと人はついて来ないものです。統率力の発揮には、スキルと信頼の両方が必要でしょう。相手の話を傾聴する、細やかな気配りやフォローをする、差別や贔屓(ひいき)をしないなど、日頃から同僚・部下に信頼される行動を心がけてください。

尊敬する人物をロールモデルにする

特定の人物をロールモデルにして、理想のリーダー像を探ってみましょう。対象に制限はなく、上司や先輩、偉人などでも構いません。相手の言動や振る舞いを観察し、どのような点が大切なのか、リーダーシップを感じさせるのかをメモします。その上で、現在の自分に足りない要素についても分析しましょう。

管理職向けの研修で学ぶ機会をつくる

統率力は実務で鍛えるのが基本ですが、管理職向けのビジネス研修で学ぶのも有効です。専門講師のもと、実践的な統率力を効率的に身につけられるのが魅力。おすすめは「社員教育研究所」のような、ハイレベルな研修プログラムのあるビジネススクールです。

たとえば、社員教育研究所には「管理者養成基礎コース」「組織力向上研修」「リーダーの条件」など、統率力の土台となる各種スキルや、マインドを学べるプログラムを実施しています。短期間で統率力の基礎を学びたい方、リーダーシップの心得に触れたい方は、ぜひ社員教育研究所のビジネス研修を受けてはいかがでしょうか。

社員教育研究所の「管理職研修」を探す

「統率力を高めて、職場で信頼されるリーダーを目指そう」

リーダーシップの構成要素である統率力は、一朝一夕で見につくものではありません。日々の業務に対する向き合い方、周囲との信頼関係、自分自身のビジネススキルなど、統率力はさまざまな要素のもとに成り立ちます。効率的に高めるには、研修・セミナーなどで専門家の指導を仰ぐのもポイントです。



この記事の監修者

株式会社 社員教育研究所 編集部

株式会社社員教育研究所 編集部

1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。

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